入試に誤字、脱字が多く回答できず全員合格

http://www.zakzak.co.jp/society/top/t-2003_12/1t2003120211.html

 問題文を作成中にパソコンで文字化けしたため、出題者とは別の教員がフロッピーを使わず手入力で打ち直した際に間違えたらしい。出題者は最終確認しなかった。

もし仮にそうだったとしても、この「別の教員」、いくら何でもこの「ミス」はないんじゃない?

 試験は11月18、19の両日実施された。小論文の問題文で「日本社会の封建的な体質」が「日本社会の合憲的な体質」に、「70年から71年にかけ」が「70年代から71年にかけ」、「微妙」が「徴妙」と誤記されるなど、計11カ所にミスがあった。

「70年」→「70年代」くらいなら、まあ、良くあるミスかなと思えなくはない。

問題は(ここに挙げられているものに限れば)他の二つだ。

「封建的」→「合憲的」と、「微妙」→「徴妙」

どちらも、単なる変換ミスではない点がポイント。たとえば、「奉献的」、「美妙」などとやってしまうといったレベルのミスではないのだ。

「合憲的」は、明らかに「ごうけんてき」(あるいは「ごうけん」+「てき」)と打ち込まないと出て来ないわけだから、入力者は実際、そう読んだのだろう。あるいは、「・・・けん(てき)」と読んだのを、脳内で勝手に「ごうけん(てき)」と変換してしまったのか――そっちの方が比較的耳に馴染んでいるから?

いずれにせよ、何だか入力者の妙な思い込みが入っていそうで、ちょっとイヤな感じ。

「徴妙」に関しては、さらに珍妙な想像が働かざるを得ない。そもそもこんな漢字列、「微妙」を「ちょうみょう」と読まない限り出て来ようがない。もうその時点で「はっ?」だろう。そんな言葉聞いたことが無い。あるいは、この入力者はあるのだろうか。

ここは仮に、一旦は(気の迷いで)そう読んでしまったとしよう。しかし、実際にやってみれば分かるように、「ちょうみょう」と打ち込んで変換しようとしても、「徴妙」なんていう漢字列は一向に出て来やしない。だって――そもそもそんな単語(多分)無いんだから。

この漢字列を出す(基本的な)仕方には大きく分けて二つある。

  • まず、「ちょう」を「徴」に変換してから「妙」を後ろにくっつけるバージョン。でもこれ、「徴」が出て来るまでには結構時間がかかったりする。「調」、「聴」、「帳」、「町」などが始めに出てしまう。明らかに面倒だ。
  • もう一つは、「徴収」、「徴兵」、「特徴」などといった漢字を打ち出した後、それぞれ「収」、「兵」、「特」を消して、その後に「妙」をくっつけるバージョン。これだと、確かに「徴」が最初のよりも早く出るかもしれないが、しかしその分、一文字消す手間があるので、やはり面倒であることに変わりはない。

いずれにせよ、とことん手間のかかることをする必要あるのだ――「徴妙」を出すには。

しかし、この入力者とされる「別の教員」は、ある意味見事にこれをやり遂げたわけだ。

っていうかいい加減気づけよ!

そう言いたくなるのも無理はない。

仮に、この「別の教員」が違う科目の専門だったのだとしても、これはもうそんなレベルのミスではないだろう。いくら何でも稚拙過ぎる。そう、まるで、ちょっとオッチョコチョイの中学生か高校生でもあるかのような・・・。

ハッ!?

も、もしかして、実は入力者は「別の教員」なんかじゃなかったんじゃないか?

この出題者が一旦家に持ち帰るなどして、自分の息子だか娘だかに、お小遣いやるからと何とか言って代わりに入力させたんじゃないのか? そう思ってもう一度記事を読んでみれば、「問題文を作成中にパソコンで文字化けしたため」に「別の教員」にやって貰ったとある。この理由がそもそも良く分からない。もしかするとこの出題者、パソコンが苦手なタイプのお父さん・お母さんだったんじゃないだろうか。そう考えると、家に持ち帰って、恐らく自分なんかよりもよっぽどパソコンを使い慣れているであろう息子か娘に代わりにやって貰ったというストーリーにも、ごく自然に頷ける。

だが不幸にも、「誤植」の問題が発覚してしまう。そこで、入試問題を家に持ち帰ってはイケナイという規則があったためか、あるいは入試問題を子供に入力させたことが知れると外聞が悪いとでも判断したか、そこら辺の事情はもちろん知らないが、いずれにせよこうした事実を隠すために、スケープゴートとして幻の「別の教員」を立てることにした・・・。

そう考えると、先の凄まじいまでの「誤植」には一応の納得が行く。というより、むしろそう考えないとあまりにも不合理かつ不条理な気がして、どうにも落ち着きが悪い・・・。

ただ、「不合理かつ不条理な事実」なんてものは実際の世の中にはわんさと溢れ返っているってこともまた・・・事実。

だからもちろん、以上は全くの憶測かつ希望的観測(?)の域を出ないことだけはお断りしておきます。