最終日 in 京都

早起き。1階のレストランは7時からなので、食べたらすぐ出掛けられるように、それまでに支度をすべて済ませる。食べ終わると速攻でチェックアウト、東寺駅へと急ぐ。そこからしばらく電車で南下して、目指すは寺田屋。そう、「みんな、それなりにありがとう!」(by 香取慎吾 as 近藤勇 in 『新選組!』)の名ゼリフでお馴染み――でも良いんだけど、普通はお龍坂本龍馬を逃がしたエピソードで有名な、あの旅籠。降りた駅から結構歩く。通りに面したごく普通のガソリンスタンドを曲がると、住宅街にこれまたごく普通に佇んでいる。でも、京都の街だとさほど不自然に見えないところがさすが。中に入れるのかどうかは調べなかったので知らないけど、いずれにせよこんな早朝じゃあ入れるわけもなく。

そそくさと駅に戻って次はやや北上。今度は伏見稲荷大社へ。何を隠そう、あの鳥居のトンネル(千本鳥居)を見たかった&潜りたかったのだ。少し行くと、まずはビッグサイズの紅い鳥居がトンネルを作っていた。そこを抜けると道が隣り合って二つに分かれており、それぞれの上を今度はミドルサイズの鳥居がトンネル状に連なっていた。本当は、木漏れ日のように鳥居と鳥居の間から日が射している情景が見たかったんだけど、今回はあいにく曇りの早朝。でもそれはそれで独特の雰囲気を醸し出していた。往きは左側のトンネルを通る。そこを抜けると奥社奉拝所があり、その脇には石灯籠が。その頭の部分の石は「おもかる石」と呼ばれているそうで、それを持った時に想像より軽ければ願いが叶い、重ければ叶い難い――という時にはたいてい重いわけで、実際、想像よりかなり重かった。ちょっとビックリした。でも、持つ時に何も願わなかったので大丈夫(?)。それにしても、この重さ以上の重量を想像する人なんてホントにいるのだろうか・・・。もう一方のトンネルを潜って帰り、駅へ。あとで調べたところ、奥にはまだまだ敷地と見所が広がっていたみたいなんだけど、逆に知らずに良かった。ヘタにそこを廻っていたら、その後のスケジュールをこなせなかったに違いない。

京都駅まで北上、JR山陰本線嵯峨野線に乗り換えてさらに北西に。嵯峨嵐山駅を通り越して馬掘駅で下車。トロッコ列車に乗るために、トロッコ亀岡駅までちょっと歩く。窓口で切符を買う。全席指定なんだけど、コンピュータなんかなく、おばさんが手動(?)でチェックしながら座席を指定。なかなか大変そう。それはそうと、台湾からの団体観光客と乗り合わせることに。車掌さんがアナウンスで何やら解説してくれているのだが、聞いている人なんて(日本人観光客も含めて)誰もいない。車掌さん、とうとう中国語*1で「北国の春」を熱唱し出す始末。でも・・・ごめん、ちょっと静かにして欲しかった。団体さんたちは(たぶん)お情けで拍手をしてくれる。度々トンネルを潜りつつも、保津峡を下に臨みながら進む。川下りをしている人たちが見上げて手を振ってくれる。本当はこの川下りもやりたかったのだが、さすがに時間(2時間)的・金銭(3900円!)的な余裕がなく、やむなく断念したのだった。ちょっとばかり嫉妬しつつ、トロッコ嵐山駅で下車。団体さんたちも一緒。嵯峨野の竹林を歩くためだ。今回の写真は、団体さんや他の観光客たちが居なくなるのを待って撮った一枚。大河内山荘への入り口を見つけたおじさん・おばさん方は、ちょっと興奮(?)気味。でも拙者、大河内傳次郎を知っている世代ではないですから! 残念! ――というわけで、申し訳ないけど無視。代わりに天龍寺に入り、方丈庭園をしばし眺める。その後で目指すはもちろん、嵐山

歩いていると、左手に竹をモチーフにしたデザインの建物が。森田恭通氏デザインによる京福電鉄嵐山駅――ということを知っていたのは、たまたまテレビ東京の番組ソロモンの王宮で視た記憶があったから。京都駅も駅ビルらしからぬ「現代的」なデザインでインパクトがあったけど、インパクトという点ではある意味この駅の方が上かも。飲食店やみやげ物屋が連なる賑わった道沿いをさらに歩くと、渡月橋に行き当たる。硬いワッフルにバニラと抹茶のアイスクリームとアンコとを乗せたやつ*2を食べながら、川沿いのベンチに座ってのんびり川と橋とを眺める。「嵐山」を紹介する写真及び映像でお馴染みの、あのアングル。風が心地良い。デジカメに収めようとするも、とうとうバッテリー切れ。実は、初日の後半から(!)すでにバッテリー残量が少ないとの警告が出ていたのだが、なんとかここまで騙し騙し使って来たのだった(充電用アダプタを持って来るのを忘れた・・・)。気を取り直して、橋を渡った先で川沿いをちょっと散歩。戻ってようやく昼食に。普通にカツ定食。修学旅行のグループ行動中と思しき男子高校生達も同じ店に入って来る。外では、男子2人女子2人のこれまたグループ行動中と思しき中学生たちが、どの店に入ろうか相談中。「私はどこでも良いんだけど・・・」とか言っているといつまで経っても決まりませんよ。男子2人は自分たちが決める気無さそうだし。グループ行動における典型的なダメ・パターン。そんな情景を一応微笑ましく思いつつ、一人旅のこちらはさっさと食べてさっさと行動。

嵐山駅から京福嵐山本線に乗車。切符は普通に券売機で買うも、改札は無し。ホームには、何と温泉を使った足湯のスペース(有料)が。人が多かったのでパス。電車に乗ると、どうやらシステムはバスと同じらしい――次の駅で降りる人はブザーを鳴らし、降りる時に「料金箱」に切符を入れる。ブザーを押して龍安寺道駅にて下車。ちょっと歩いて龍安寺へ。もちろん、例の枯山水の石庭が目当て。とは言っても、もちろん修学旅行で一度来てはいるんだけど――グループ行動中に。他のたくさんの観光客たちと共に、縁側に座ってしばしじっと庭を眺める。さっきから川や橋や庭を眺めっぱなしで、気分も落ち着きっぱなし。縁側に沿ってぐるっと一周廻ってから、今度は寺の外(境内?)の庭を一巡りした後、通りに出る。

金閣寺へ向かうバスに乗るため、バス停に。ところが残念ながら、バスが来るまでまだだいぶ時間がある。ということで結局、道沿いに歩いて行くことに。途中で立命館大学前を通りつつしばし歩くと、ようやく金閣寺への入り口に到着。境内に入ると早速、お馴染みの金ピカの建物が姿を見せる。実は、今回はここへは来るつもりは無かったんだけど、いざ来てみると、この建物の突拍子の無さは何度でも見ておいて損はないと痛感。自然の中に金ピカな建物を造ろうという思い付き自体は悪趣味だけど、実際にこうして出来上がったのを見ると、何とも不思議な調和を感じてしまう*3

そろそろ京大に向かった方が良い時間だと判断。通りに出ると直ぐ目の前にバス停があるも、京大付近を通るバスがない。もう一本先の大通りにあるバス停から出るバスには京大付近を通るものもあるようだけど、そのバスが来るまでには時間が開き過ぎている。仕方がないので来たバスに乗って途中下車し、京大付近に向かうバスに乗り換える。大げさかも知れないが、バスの乗り継ぎなんてしたのは生まれて初めてかも。バスを降りて構内の会場に着いたのは、ワークショップが始まるちょうど5分前。あまりのドンピシャぶりに、我ながらちょっと感動。前の晩に急遽組んだスケジュールをすべてこなした結果としては、上出来過ぎるにも程がある。さすがに、肝心のワークショップ中はちょっと居眠り気味だったけど、途中、ショー的に盛り上がった(?)シーンがあったお陰で、目が覚める。

終わると、直ぐさまバスで京都駅へ。とりあえず余裕をもって1時間半後くらいの新幹線の切符を買っておく。それから夕食代わりに、初日にも行った駅ビル内の「京都拉麺小路」の中の一店でラーメンを食す(結局、この3日間でラーメン3食)。今回はそれなりに満足。それからおみやげを買うために再び京都タワーへ。しかも1F。頑なに上に行かないのは、別に高所恐怖症だからというわけではない。何にしようかと流しながら見回っていると、各店の販売員であるおばちゃん達が積極的に勧めて来る。その積極さ(強引さ?)たるや、少なくとも一度試食してしまったら買わずにはおれないほどだ。どうせなら1種類ではなく何種類か買おうと思っていたため、お菓子類を2つと漬け物類を1つ購入。新幹線で東京駅へ。無事家に帰り着くと、ちょうど良い時間(何と比べて?)。その日は大して疲れを感じなかったのだが、一晩寝て起きたらドッと疲れが出た感じ。ダメじゃん。

<おしまい>

*1:北京語だか広東語だかは知りません。

*2:なんかバカっぽいけど、名前を知らない(忘れた?)んだから仕方ない。

*3:「ブー! 残念、造ったのは足利義満じゃなくて大工さんでした!」を思い出す。