英語であそぼ

「発明」は英語では'brainchild'というらしい、ということは聞いたことがあったようななかったような。
「脳の子」か・・・・・・。
一瞬「なるほどな」とは思うものの、でも考えてみたら人間のする事ならたいていが「脳の子」なんじゃ・・・・・・。
それはともかく、一方で「必要は発明の母」なんだとすると、発明は「必要の子」なわけで、じゃあ一体ぜんたい発明さんは誰の子なのかと考えると、やや悩ましげです。
「必要」が「脳」に迫って「発明」が生まれる――つまり「必要」と「脳」とは夫婦なのだ、といったところが真相でしょうか。

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「光陰矢のごとし」にあたる英語は'Time flies like an arrow'、というのは比較的よく知られています。

かつてある翻訳ソフトでこの英文を訳させてみたところ、「時間蠅は矢が好きです」と出力された、という話もまた、半ば伝説化しているようです。「時間蠅」だなんてちょっとSFチックな生物の名前らしき単語を勝手に考案しちゃったりして、お茶目なマネもほどほどにしていただきたいものです。でも、このソフトの気持ち(?)は分からないではないんですよね。むしろ理に適ってます。「'flies'が動詞なんだとすると『時間は飛ぶ』になるけど、時間は飛んだりするわけない(抽象名詞に'flies'は付かないはず)」――。

今は、たとえばExicte翻訳(http://www.excite.co.jp/world/english/)なんかでも、「時間は矢のように速く過ぎます」というように、'flies'を動詞と捉えた上での直訳を一段越えて、ちょっと気を効かせた訳を出力するようになっていますが。

ただ、実は最初、'Time flies like arrows'を翻訳させてしまったんです。そうしたら――どう訳されたと思います?
ちゃんと(少なくとも「時間は矢のように飛ぶ」のように)訳されるか、あるいは「時間蠅は矢が好きです」になるかのどちらかしか想定していなかったために、出力された訳を見て一瞬「?」となってしまいました。さてその訳とは・・・・・・

「ハエが好きである時間は矢印で示します」

そう来たか!という感じ。
'arrows'と複数形にしてしまったために、可哀想なこのソフト、その語も動詞候補の一つに数え入れた('s'を三単現のsとみなした)挙げ句、三つの動詞候補の中からどれか一つを動詞として選ばなくてはならないハメになったんでしょうね。それで最終的に選んだのがなぜか、よりにもよって'arrows'と・・・・・・。
まあ、仮に中学生がこう訳して来たら、ある意味褒めるに値するかもしれませんけど('Time flies like'を「ハエが好きである時間」と訳せた点で――でも結果的に出来上がった文は意味不明なので、そこのところは微妙ではありますが・・・・・・)。