『HR』

フジテレビで2クールに渡って放送された30分番組で、三谷幸喜脚本・演出による日本初のシット・コム(シチュエーション・コメディ

『HR Vol.1』
『HR DVD 3巻セット(Vol.2~4)』

前々から気になってたんだけど、なんだか妙な売られ方だ。第1巻だけは、いわゆる「DVDボックス」から独立している・・・。
まあ良い、レンタル・ビデオ/DVD屋に置いてあるなら、レンタルすれば良いだけの話し。ただ、普段利用しているレンタル屋(以後、こう略す)には、第1巻の、しかもビデオ版しか置いていない。
そこで、車で比較的近いレンタル屋に行ってみると、幸いにもDVD版で全4巻が置いてあることを確認。入会金も年会費も無料とのことなので、迷うことは何もない。速攻で入会して借りる――第3巻と第4巻を。
だって、第1巻だけ借りられてたんだもん・・・。
それに、TV放映時も、前半は割と視ていたんだけど、後半になるとビデオ録画を忘れるなどして見逃した回が多かったため、まあ、ちょうど良いと言えばちょうど良い。
で、早速視始めると・・・
面白い!
一度視始めたら絶対に止められない。数話をほとんど一気に視てしまう。
極限状態で作られているはずなのにそれを感じさせない、いやむしろ、そうした状態の中で作られたからこそ、これほどまでに大胆でダイナミックかつアクティブ(似たような表現の連続だけど)なものに仕上がっているのかもしれない(第3巻の冒頭にはメイキングが)。でもそれでいて非常にスマートかつシャープだ(また似たような表現・・・)。
それにしても、よくぞ30分(実質的には二十数分)番組の中に毎回これほどまでの展開を盛り込んだものだと感心せずにはいられない。
もちろん、作り手側にしてみれば反省点などいくらでもあるのだろうが、純粋な視聴者の側からすれば、恐ろしいまでの完成度だ。とりわけ何話も通して視たために、そういう思いは益々強くなる。
中でも、「徹夜仕事」と、それに引き続く「さよなら、和久井さん」なんて、三谷コメディの真骨頂だ。「笑って泣かせる」という言葉は、彼の作品のためにあるようなものだ――とさえ言いたくなる。
その他にも、各話ごとに細々と語りたいことが多々あることはあるのだが、残念ながらそんな暇は・・・ない。