ウグイス嬢の方へ

「お手を振ってのご声援、ありがとうございます! ああ、高い窓からもわざわざお手を振ってのご声援、ありがとうございます! しかと受け止めさせていただきました!」

周りに人が見当たらない所でこんなことを言わされるウグイス嬢の方、ご苦労様です・・・・・・。
さぞや虚しいだろうに、それを堪えての明るい声がなおのこと、哀愁を誘います。
ただ――僕の側を通り過ぎる時にそんなことを言われると、「いやいやいやいや、振ってませんて! 僕じゃないですから!」って、ちょっと遠くに見える人たちに向かってイチイチ言い訳したい気持ちに駆られてならないので、どうか止めて下さい。
あなた方は、同じような犠牲者をたくさん作ってしまっているはずです。
いくら虚しいからって八つ当たりはいけません。
ですから――それを言うなら言うで、周りにホントに誰も居ない時だけにしていただけたら幸いです。