『女王の教室』

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いやあ、すがすがしくて良いなあ――というのが(実はたまたま)視終わった感想。

こういう役を天海裕希が演ると知った時に想像した通りのクールで無慈悲な独裁者キャラは、やっぱりハマリ役。前クールにⅡが終わった『離婚弁護士』でも、「仕事に関してはクールで高飛車」(でも「私生活ではお茶目な乙女」*1)なキャラを演っていたので、そのキャラを特化して深化させた感じ*2、と言ったら良いのか。

歴代の学園ドラマでは数々の教師キャラが排出されて来ましたが、それぞれ個性はあっても結局は暑苦しいタイプが多かったので*3、ようやく新たなタイプの学園モノが出て来たと言えるじゃないでしょうか*4。久々に小学校が舞台だということもあるし*5。主人公――は天海だろうから、児童側の主人公?の女の子の表情の演技は要注目かも。ちなみにこのドラマ、飽くまでも視点は児童側にあるってことを忘れちゃいけないでしょうね。実際、冒頭に出るテロップでもそう言ってるし――「この物語は 悪魔のような鬼教師に 小学6年の子供達が戦いを挑んだ 一年間の記録」って。

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・・・・・・・・・「悪魔のような鬼」?

まあ良いです、大目に見てつっこむのは止めておきましょう。いずれにせよ、所々爆笑しながら安心して視られるドラマ――かと思ってたら、意外とそうでもないようで。

他の人たちの感想も見てみると、自らは好意的な反応を示しながらも「いろいろ反発や批判はありそう」と書いている人が多かった。そうなのか。公式サイトのBBSには実際すでにそうしたコメントが続々投稿されているとのことで、早速見物に・・・・・・つまらん! こんな、制作者側のそれこそ想定の範囲内」のコメントなんてどうしてわざわざ書く気になるのか、摩訶不思議。してやったりとほくそ笑むスタッフたちの姿が目に浮かびます。

気になる、というより興味があるのは、落としどころを「ドコ」にするんだろうということ。「実は真の意味で生徒を思っている良い先生でした」みたいな展開が考え得る内で最も安直かつ最悪なパターンだと思うので、仮にそこを外すんだとしたら(っていうか外してくれ!)、本当に「ドコ」に行くつもりなのか、お手並み拝見です。

今クールはもう一つ、『ドラゴン桜*6が学園ドラマとして放送されるようだけど、阿部寛の「バカとブスこそ、東大へ行け!」が印象的。これまたある意味クールだけど他の意味では「暑苦しい」タイプのキャラに入りそうな気もするが、ただ、「教師の側が生徒・児童を徹底的に教育する」方向で行こうという姿勢を貫いている(ように見える)点では、実は『女王の教室』と同じタイプと言えるかも。これからの学園モノでは「先生の側が(も)生徒・児童から何か大切なことを教わる」とかいう伝統的なタイプのなあなあな作りに徹底的に抵抗して行くんだ!という意気込みがあからさまに伝わって来ます。これまでのドラマでは子供を甘やかし過ぎたことに、ようやく気がついたのでしょうか。

*1:一応、密かに韻を踏んでみました。

*2:またまた韻を・・・・・・って、はい、すいません、いい加減にします。

*3:さよなら、小津先生」のように「やる気のない教師」キャラもありましたが、それはクールとは違うし。

*4:ただこのドラマ、「暑苦しい教師」キャラを排出した学園モノの代表格の一つ、『GTO』と同じ脚本家の手によるものだというのが面白いじゃないですか。

*5:もしかして、『うちの子にかぎって』、『教師びんびん物語』以来では? あるいは、これら以降にもあったかな? 思い付かない・・・・・・。

*6:これ、『タイガー&ドラゴン』の枠!