一日目

次の日の神田での某集まり用に簡単なハンドアウトを用意しなきゃいけないことを、日付の変わり目に知る。なんとか体を成している程度にお茶を濁す。実は、その次の日の箱根での某集まり用の発表原稿がまだ出来上がっておらず、そっちの準備でいっぱいっぱい。それに関しても、自分の発表がこんなタイトルだったことを、しかも初っ端に予定されていることを、ホンの数日前に知る。どちらにも共通する教訓――重要そうなメールは来たらすぐに開けましょう。

神田での某集まりの後は飲みに行かずに直帰、そのまま発表原稿の準備に取り掛かる。かなりヤバイ(もちろん、ポジティブな意味でではない)状況。徹夜必至。明日(いや今日)の朝は何時に家を出れば間に合うか――10時ちょっと前で良いだろうと見当を付ける。で、ふと気づくともう9時。作業は半ば強制的に終了させる。簡単に朝食、シャワー、出発。猛烈に眠い――こんな状況で発表なんて無理っぽい。でも自業自得。ギリギリにならないとやらない性格は直すべきだけど、これがなかなか直らないのが致命的。

コピーは最寄り駅前のコンビニですればイイや――ってもう駅のホームに来ちゃってますけど。あちゃッ! いつも使っている駅のせいか、券売機で切符を買って自動改札を通ってホームに上がるまでの一連の行為が、半ば自動的に*1行われてしまったらしい。となると、あとはどこへ行けばコピー機があるのか。箱根まで行ってしまうともう絶対に見付からないに違いない。何とか途中で探す必要がある。駅構内には無さそう(あっても良いだろうに・・・・・・)。取り敢えず新宿駅まで出て、一度外に出よう――で、出た。最初に目に付いた某百貨店の(高層階にある)文房具屋で聞いてみると、自分で出来るコピー機は無いとのこと。店員が一度原稿を預かって店側がコピーするというサービスならあるらしいけど、なんだか面倒臭いからパスっ!

この辺りからちょっぴりパニック状態。西口に出ちゃったのがマズかったのか、見回しても走り回っても、一向にコンビニが見当たらない。普段ならそこかしこに目障りなくらい乱立しているコンビニが、どういうわけか見当たらない。もう半泣き状態、そして同時に半笑い。ちょっとヤバイ状態に突入した模様です。時間がどんどん過ぎて行く。もう間に合わないかも・・・・・・。よっぽど気が動転していたのだろう、某電気店コピー機売ってそうなフロアまで階段を駆け上がるという愚行に出る。でももちろん、自分でコピーが出来るサービスなどあるわけでもなく(でも、あったってイイじゃん!て思う)。再び「大都会」の真ん中で、真っ昼間、「果てしない 夢を追い続け」るどころか、たった一台の(自分でコピーが出来る)コピー機を求めて独り走り回る。しかし、新宿駅周辺てどこにコンビニってあったっけ? なぜか思い出せない。焦っているせいかもしれないけど、もしかして実際に少なかったりするのか? 案外この辺りはコンビニ出店の穴場だったりしちゃったりするのか? だったらさっさと出店してくれよ! せめて今日だけでも良いから! と、逆ギレ状態が転じて理不尽な怒りが湧いて来る。いよいよマズイ状態です。そんな時、ようやく一軒見つけて速攻でコピー。またひたすら走って新宿駅へ。

折角だからロマンスカーに乗ってみることに。ちょうど昼前だったので、ホームの売店「シウマイ御弁当」を買い、車内で食す。初めてのロマンスカー。でも別に、少なくとも車内の何がスゴイわけでも珍しいわけでもないんだけど。ただちょっとビックリしたのが、走り始めてしばらくは結構ゆっくり走行だったこと。数駅分は、ヘタすると各駅停車の普通列車の方が早かったんじゃないかと。でも焦っても仕方がない。仕方がないから――寝る

箱根湯本は久しぶり。もう遅刻は決定的。だって、この時点ですでに開始時間を少し過ぎている。バスの時間までも15分ほどあるし、バスに乗ってからも30分以上かかるらしいし――もう終わりです。でも、これまたここで焦っても仕方がない。どんなに急ぎたくても急ぎようがないのだから。走るなどした方が少しでも早く到着出来るのであれば、もちろん走るに越したことはないけど、こういう場合はそもそも走りようがない。仕方がない時は、開き直るしかない。気だけ焦ってみても、無駄。

バスでひたすらくねくね山を登って行く。途中、「宮の下」を通る。富士屋ホテルがある辺りなのだが、先日感想をアップした『横浜・山手の出来事』にもこの地名が何度か出て来ていたのを思い出す。この本の関係者(カリュー一家)も、この地を保養地として利用していたらしい。そんなこんなでホテル前に。もうとっくに始まっていたが、順番を変えて発表させてもらってなんとか終了。徹夜明けにさんざん走り回った後だったせいか、半分ナチュラル・ハイ状態で強行突破

後はもう、気楽にご褒美タイム(!?)。銭湯に行くことはあっても温泉は久々。露天風呂があるようだ――って、寒ッ! いつの間にか雨になっていたらしい。でも逆に、温泉の有難味が増すってもの。上がった後の夕食では至福の時を過ごす。こんな上品で美味な料理は久しく口にしていなかった。記念に、一品一品の感想を細々と書き綴りたいくらいだ。ホンの少量の酒でも、ただでさえ弱い僕のしかも今の状態ではひとたまりもない。途中から猛烈な睡魔に襲われる。そして時々負ける(勝てたためしはあんまりない)。みんなきっと呆れてたはず。他の人たちは当然のごとく「二次会」を開いたようだけど、僕は爆睡。夜10時にベッドに入ることなんて、普段はあり得ない。

・・・・・・あれっ、気づいたら、もしかしてまた長くなってる?
仕方がないからまた次回。

*1:と言っても、「自律性」が作動していなかったというわけではないだろうから、(残念ながら?)責任は帰属可能。その場面で現に自己意識的でないことは、当の振舞いが自律性を伴っていないことを含意しない。