『女王の教室』最終話

http://www.ntv.co.jp/jyoou/

以前、初回視聴後、これで、結局「実は良い先生でした」って終わり方だったら最悪だと書いたけど、さて実際は――。

うん、ギリギリありかな、と思いました――ラストカットまでは

真矢の側の態度は徹頭徹尾変わらず、子供たちの側だけが一方的に変わっていくという仕方で、「実は良い先生であるか/でないか」といういわば存在論的な問いに対する答えは出さずに、むしろ「良い先生として受け容れられるか/受け容れられないか」といういわば認識論的な問いに対して子供たちの側に「受け容れられる」と答えさせた、と言えるかな。

ただ最終的にはやっぱり学園ものの王道、「卒業式(の日)」で締めることになって、まあある意味ベタと言えばベタな展開ではあったけど、こういうベタには結構弱かったりします。フツーに泣きましたけど何か?

で、真矢が最後に教室から出て行くまでは、期待通りでした。お、最後までこれで通してくれるのか、さすが――と思ってたらとうとうラストカットでやっちゃいましたよ・・・・・・。制作サイドでも恐らく揉めたんじゃないでしょうか?(想像) でも、やっぱりどうしてもやらずにはいられなかったんでしょうねえ、きっと。最初からやると決めていたのか、それとも途中で変えられた妥協(?)の産物だったのか、実際のところが気になります。

ただ、もしやるなら、せめて、真矢が後ろを向き直って横顔が完全に見えなくなるかならないかの瞬間にスローモーションをかけて、「あっ、今もしかしてちょっと微笑んだんちゃう!?」と視聴者に思わせる程度にしておくべきだったよなあ、と。たとえば、ネット上で「『笑った』v.s『笑ってない』論争」が勃発するくらいの微妙さで。

それはともかく、初めて知ったんですが、仰げば尊しってもう卒業式でホントに歌われてないんですか? 「歌詞に問題がある(=先生への尊敬を強制させる)」からって理由で?

そうだとしたらなかなか衝撃的というか滑稽というか・・・・・・。

それを言うならまず先に国歌(斉唱)をどうにかせいっちゅう話しになりそうなもんやけど・・・・・・。国民主権を謳っているハズの国で、どうして未だにこんなこと歌っているのかと――いや、ちょっと韻を踏んでみたかっただけです。

まあ、これ以上書くとコワイコワイことになりそう(!?)なので止めますが、いずれにせよ、このドラマの反響として、(一時期流行った?)「父性の復権」論がそれこそ安易に「復権」されることになるようなら興醒めですよね。普段、ある種の子供や若者に対して「フィクションと現実との区別がついてない!」なんて言っているような大人ほどこのドラマに感化されて、その結果、「今こそこういう大人や教師が必要なんだ!」とそれこそフィクションと現実とを混同したような安易な感想を持ちがちなような気がしますが、そんなことはない?