〜 蔵王温泉から山形市内観光の巻 〜

蔵王温泉バスターミナル」でバスから降りると、早速、大露天風呂に向けて歩き出す。山(坂)道をひたすら登って行くこと約10分から15分。

この露天風呂がまた最高だった。時期的なものなのか時間帯のせいなのかは分からないけど、人が少なくて、天気が良かったため日射しを受けた新緑が黄色く輝いているし、気温も決して暑過ぎず、ぬるめのお湯と相俟って、あたかも自然の中にとけ込んでいるかのような錯覚に陥りそうになる。思わず心から「極楽極楽」と呟いてしまう。充分堪能した後、ポカリスエットで水分補給。もうこれだけで、今回の旅は大成功だったなという充実感が沸いて来る。

またまたバスターミナルまで引き返す。しばらく待って、山形駅行きのバスに乗車。実にまったりとした気分で、思わず寝てしまいそうになるも、折角なので、外の景色を眺めながら何とか耐える。山形駅前で降りると、まずはおやつ代わりに冷やしラーメンなるものを食しに某店まで歩く。いわゆる「冷やし中華」とは違って、正に文字通り「冷やされたラーメン」といった感じ。見た目としては――ラーメンに氷がゴロゴロ入っているよ! でも、脂が固まっているということもないし、冷たいスープの割には出汁の味もしっかりと感じられて、結構旨かった。

そのまま山形県郷土館(文翔館)見物。大正5年に建てられたイギリス・ルネサンス様式の建物で、重要文化財に指定されているとのこと。こういう建物を見るのは大好き。夕方に差し掛かったほどよい時間帯(?)にもかかわらずほとんど人気の無い庭園のベンチに腰掛けながら、しばし見とれる。

ゆったりとした時間を過ごした後は、霞城公園へ。二の丸東大手門から入る。最上義光騎馬像を過ぎると、山形城蹟。現在は、本丸の石垣復元工事が行われているようだ。その先には、これまた独特な佇まいを見せる建物が。山形市郷土館(旧済生館本館)らしい。すでに閉館時間が過ぎてはいたものの、外観を見るだけでも充分楽しめる(個人的には)。

南門から出て、再び山形駅方面へ。出発した地点とは駅(線路)を挟んで反対側になる。最近の駅前開発の結果だろうが、妙にさっぱりとした印象。雰囲気としては決して嫌いではないけど、いろいろ複雑な気分。霞城セントラル(ビル)の展望ロビーに昇って、市内を一望。

再び駅の反対側に廻って出発地点へ。夕食まではまだ時間があるので、駅前通りのドトールで一休み。それから某そば屋にて天せいろ(そば屋に行くと決まってこれ)を食す。うーん、別に悪くはないけど良くもない、かな・・・・・・。実は店内には、「本来の風味を味わっていただくために、薬味をおつけしておりません」といった内容の張り紙が。確かに、ネギもわさびもついていない。ただ、薬味っていうのは決して「味付け」のためにあるわけじゃなくて、それこそ、そばやつゆの本来の風味を飽くまでも「引き立たせる」ためにあるものだと思っているので、個人的には、その一見したところの「こだわり」は「見当違い」にしか思えなかった。「良くもない」と思ってしまったのは、薬味がないせいで本来の風味を充分に味わえなかったためかも・・・・・・。

帰るにはまだ時間的に早くはあったけれど、なんだかもう充分に堪能した気になっていたので、何の未練もなく駅に向かう。すると、直前に人身事故があったとのことで、電車がストップしてしまっていた。1時間ほどはかかるだろうとのことだったので、その時止まっていた新幹線の切符を買ってそれに乗り込んで待っていた。ついでなのでその時間を使って、例のノートパソコンを出してこの旅行記のPart1を書き出したのだった。ようやく動き出したものの低速度で、現場と思しき付近では無数の(っていうのは言い過ぎだけど)パトライトと野次馬とでごった返していた。後で知ったところによると、自殺したのは中学生(あれ、高校生だったかな?)だったらしい・・・・・・。

結局、帰宅したのはほぼ計画当初の予定通りの時間だった。

(おしまい)