(7月10日分)「初夏でいきましょか」 in 渋谷O-WEST

「初夏でいきましょか」(・・・・・・。)と題されたライブ・イベントを観に、渋谷のO-WESTへ。参加アーティストは、サザーランドといきものがかり奥華子の3組。その中でも個人的なお目当ては、奥華子。昨年、自宅の最寄り駅前でやっていた路上ライブでの歌声を(バスが来ていたのでちょっとだけ・・・・・・)聴いて以来、とっても気になっていたので。今さらこんな紹介をするのは憚られるけど、「テプコひかり」(他)のCMソングや、さらに最近では(細田版)『時をかける少女』の主題歌を歌っている人です。

http://okuhanako.pirisound.com/

それはそうとこのO-WESTって会場、いわゆるホテル街のド真ん中っていうのはどうなのよ? 健全な親子連れやまだ初々しいカップルなんかが来るには気まずかろうに・・・・・・。すぐ下の階にあるコンビニの前で入場予定者らしき人たちがたむろしていたので僕も混じる。暑い・・・・・・。しばらくすると、整理番号順に入場が始まる。オール・スタンディングのライブは初めて。もちろん決まった席なんてものは無いから、上手くすれば、遅れて入場しても前の方に陣取れる可能性も。逆に、たとえ早めに入っていても、一旦トイレに行ってしまうと、上手くしないと元の場所に戻れず、結局後ろの方に行かなくてはならないハメに陥る可能性も。さらに、ワン・ドリンク制でもあるので、最初に紙カップ入りのドリンクを貰ってしまうと(スタンディングなので当然)置くところがなくてちょっと困る。飲み終わった後も、足元にでも置いておかなきゃならない。ゴミ箱まで捨てに行こうものなら、戻れなくなる可能性があるからだ。座席指定制の芝居やライブとは違って、なんだかとってもスリリング

サザーランドは、某CMに起用されていた「Silent movie」という曲しか知らなかったけど、見た目とは違って(?)気だての良いあんちゃん風のバンドという印象。実際、これまた見た目とは違って(?)しっとりとしたバラード調やアコースティックな曲を得意としているようだ。メンバーが(つい最近行ったばっかりの)山形出身ということで、妙な親近感を覚える。

いきものがかりは、これまた某CMに起用されていた「SAKURA」が印象的で、生で聴けるのを楽しみにしてたんだけど、期待通りなかなか良かったです。ただ、この曲のような独特な感じがこのバンドの特徴というわけではないようで、他の曲は比較的メジャーな感じのガールポップ調だったのが意外。かつてのHysteric Blueに似たコンセプトのバンド――なんて言ったら(縁起でもないと)怒られるでしょうか。女性ヴォーカル+男性2名という構成や、春の曲でブレイクといった点が似てるかな、と・・・・・・。ちなみに、「初夏でいきましょか」というこのイベントのタイトルは、このバンドのヴォーカルの子による命名と判明。その時点で多くの人は、まあ許してやろうという気になったのではないでしょうか。写真で見るのとは違って(?)、なかなか可愛らしい感じの子でした(ちゃんちゃん)。

で、トリを飾ったのが奥華子。キーボードの弾き語り。おっとりとした感じで一見あぶなっかしそうでありながら、その実、数多くの路上ライブの経験に裏打ちされた自信と計算とに満ちあふていたMCは、ちゃっかり、今回の出演者中で一番笑いを取っていた。MCの後、次の曲の紹介をすると、すぐにキーボードを弾き始めるのではなく、鍵盤に手を置いたまましばらくじっとして、結構な間をとってからおもむろに弾き始めるところなんかは、なかなか印象的。気持ちを入れている、ということなんでしょうか。ただ、人前でこういう間を取るのってなかなか勇気がいるものなので、尊敬してしまう。その間、観客たちは文字通り、じっと固唾を呑んで見守っている。

ライブ終了後、すぐ下のコンビニ前でCD即売&サイン会が開かれたものの、すでにもの凄い列になっていたので、すんなり諦める――だって次の日があるから。