『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』

ぶっさんが死んで3年。その間、キャッツアイの連中もいろいろあって、それぞれの道を歩き始めていた・・・・・・ヤツもいればそうでもないヤツもいて。唯一(?)まともに市役所職員として働いていたバンビは、ある時あることがキッカケで、ぶっさんにちゃんと「ばいばい」が出来なかったことに思い至る。そこでメンバーを呼び集めるのだが・・・・・・。

この「ぶっさんにちゃんと『ばいばい』が出来なかった」というのは、たぶん、ドラマや前作映画の視聴者・観客を代弁している。だからこの作品は、ただそのためだけに作られたものだとさえ言って良いかも。この映画だけを単独で観て何か感想を持とうとしても、ちょっと微妙なはず。逆にキャッツ・ファンにとっては、ちょっと切なくて侘びしいものがある。ぶっさんの死は、キャッツ連中にとって青春の終わりの始まりだったんだろう。実際、今作では再びヤツらの往年の活躍を見ることができるのかと言うと、実は必ずしもそうでもないわけで・・・・・・。でも、それが今作のテーマでもある限り、仕方がないと言えば仕方がない。もちろん、その分を補うための仕掛けはちりばめられているけど、これもまた、必ずしも補い切れてはいなかったと思う。

色々なレビューを見てみると、何だか「感動」系の感想がやたらと多いようだけど、さすがにそういう感じではなかったような・・・・・・。むしろ、それこそ切なくて侘びしくて、でも何か吹っ切れたような感じ。どこか終わり切れていなかった彼らの青春がすっぱりと終わりを迎えることができて、一ファンとしてはいくら侘びしくても、ヤツらはようやくそれぞれ自分たち自身の道を歩き始めることができそうです――そんな(最後の)近況報告。

それにしても・・・・・・ワールドシリーズだからって無理矢理そんな(笑) アノ連中のリーダー、アンタッチャブルの山崎かと一瞬思ってしまったなんてことは、恐らくどうでも良いでしょう。

追記:そうか、公助にだけ○○なかったのは、そういうことだったんですねえ。言われてみれば確かにそうだ――実際、ちゃんとそれを示唆するようなシーンが最後の方にあったもんなあ。ホントに恥ずかしながら、他の人のレビューでさらっと書かれていたのを読んで初めて気づいた・・・・・・。自分の理解力や感性の乏しさにほとほと嫌気がさします・・・・・・。)