『24 -TWENTY FOUR』

http://www.so-net.ne.jp/24/

フジテレビで深夜、2、3時間ずつ放送されていたのをビデオ録画しつつ、なんとか視終わる。

で、感想――めっちゃ疲れた

いや、そりゃあ確かに「つまらなかった」ってわけじゃないけど、でも実際、ラストシーンの後に感じたのは「面白かったーっ!」じゃなくて「っハアー、疲れた・・・」。だって、どのシーンを取ってみてもほとんど緊迫している状況で、気が休まることがなく、そんなテンションをずっと保ち続けなきゃならないわけだから、当然でしょう。加えて、主人公のジャック・バウアーに感情移入でもしようものなら、あまりにも緊迫した状況のあまりの連続に、掛け値無しに発狂しそうになる。だからなんとか距離を置こうとして、それに神経を注いでいたことも、疲労感の一つの要因かも。のめり込んでいる人が多いらしいが、発狂してしまった人がいるという話しを一向に聞かないのは、どうしてだろう?

緩急があってこそ、クライマックスが生きてきてカタルシスを得られるはずなのに、このドラマの場合はある意味24時間ぶっ通しでクライマックスが続いているとさえ言えるため、ラストが「ここぞ」というクライマックスには感じられず、カタルシスもヘッタクレも得られなかった(感覚が麻痺していた?)。何度も言うように、ただただ「疲れた」。こういうアクション・サスペンスはやっぱり、せいぜい2時間前後で緩急をつけて見せてもらってこそのカタルシスなのだと、つくづく感じた。確かに、「24時間に起こった出来事をリアルタイムで追う」、「映画では実現できない」ドラマという企画自体は斬新だし、脚本も非常によく練られているとは思う。ただ残念なことに、折角のリアルタイム感がさほど感じられなかったし、ラストも、よっぽどのドンデン返しが待ちかまえているのかと思いきや、この作品ではすでにある意味「お馴染み」になっていたドンデン返しと、それまでの疲労感を吹っ飛ばすどころか余計に倍増させるような「衝撃の展開」だし・・・。

24話ということは日本では2クールにあたるわけだけど、同じ2クールのドラマなら、個人的には先の『白い巨塔』の方に軍配を挙げたい。「次の展開が気になる」のに加えて、ちゃんと緩急もあった。だから、最終話のクライマックスもちゃんと生きていた。

というわけで、個人的には、(『24 -TWENTY FOUR』を)「もう一度最初から視直したくなる」なんて人の気がしれません(誤解の無いように何度も言いますが、「こんなにもつまらなかったのに」じゃなくて「こんなにも疲れるのに」という意味で)。でも、このドラマについて語るほとんどの人が例外なく手放しで絶賛しているんですよねえ・・・。*1

うーん、セカンドシーズンは・・・どうしよう? また同じ様な、あるいは聞いた限りではそれ以上の、疲労感を覚えそう・・・。でも、どうやらストーリー(のある部分)は続いているようだし、だとしたらやっぱり気になるので、仕方がないから視ることにしよう。*2

*1:その後、必ずしもそうではない(つまり、否定的な感想を持った人もやっぱり結構多い)ことを知りました。

*2:我ながら、なんて素直じゃないんだ・・・。