『SAW -ソウ-』

『スカイ・キャプテン -ワールド・オブ・トゥモロー-』とどちらを観ようか迷ったんだけど、どうもこちらはさほど評判が宜しくないようで、ハウルの動く城』の時と同じ思いをしそうな雰囲気を感じたので、趣向を変えて『SAW』の方を選択。ファースト・デイ・サービス(毎月1日)を狙って行ったので1,000円で観賞。

見知らぬ部屋で目が覚めてみると、なぜか足を鎖で繋がれており、部屋の対角線側にももう1人同じような状況の男、そして部屋の真ん中には・・・。ヒントを手掛かりにアイテム(!)を探し出し、そしてそれを上手く使って何とか脱出を図ろうとする2人だったが・・・。状況設定的には古き良き「アドベンチャー・ゲーム」を彷彿とさせる。その(初期状況の)不条理さは映画『CUBE』にも通じる。その凄惨さ、犯人の動機のタイプ*1などは、そこはかとなく『セブン』*2。そしてその実体(!?)は――ドンデン・ドンデン・ドンデン返しを楽しめる、いろいろな要素が混じり合ったサイコ・スリラー・(ちょっと)アクション・サスペンス。僕のような「ドンデン返し中毒」の人にお勧め。『ユージュアル・サスペクツ』を初めとするいくつかのサスペンス映画でドンデン返しを演出するために使われているタイプの某手法は大嫌いで、以前、この手法以外のドンデン返しをしてくれるサスペンス映画はないものかと嘆いたけど、ようやく見つけたといった感じ。ただし、せっかく「ドンデン返し中毒」であっても「ショッキング映像大嫌い」の人は、もしかすると素直には楽しめないかも(僕自身もそんなに得意な方じゃないんだけど、何とか楽しめた)。

ところで、この映画を紹介している各種サイトに載っている「あらすじ」のほとんどに、いわゆるアンフェアな記述が含まれているのはいかがなものか。まさかと思い立って公式サイトを覗いてみると・・・驚いたことに、なんとここにも同じタイプのアンフェアな記述が!

http://sawmovie.jp/

小説の地の文だったらアンフェアだけどこれは別に映画の本編における表現ではないから、かろうじて許される? うーん・・・。

*1:そもそも小説においてであれドラマや映画においてであれ、それどこか現実においてでさえも、事件の犯人の「犯行動機」というのは必ずしも第三者に納得ないし理解可能なものとは限らないし、その必要はない。

*2:「『CUBE』や『セブン』になんて全然及ばない、比較するな!」とか言わないように。そういう話しをしているわけではないので。