復路Part1

もと来た道を黙々と戻る。例の分かれ道に到着するも、往きより意外と短く感じた。そこから今度は左の道――つまり山への登り坂を再び進む。貰った地図を確認すると、確かにこっちで良いようだ。どんどん登ったら、今度はUターンしてまた下る。こんな道をひたすら降りて行く。

地図がホントに役に立って、ようやく観音橋らしき橋を発見。

橋を渡り、ちょっと強引に下の河原に降りてみる。

若者数人のグループが、近くの家族連れに包丁を持っていないか聞きに行っている。どうやら持っていないらしく(そらそうだろう)、折角冷やしておいたらしいイカを「宝の持ち腐れ」だと嘆いていた。おいおい君たち、こんな所まで来てスイカをわざわざご丁寧に包丁で切って食べるつもりだったのかね? それだけの人数(5人くらい)がいて、そこら中に転がってる石が見えないわけでもないだろうに、そこに落とすなりして豪快に割って喰うとかなんとか考え着かないのだろうか? だってそれが、アウトドアの楽しみってもんじゃないんですか? たとえばスイカ割りを考えてみれば良い。よっぽど、進言してやろう、そしてあわよくば(!?)ご相伴にあずかろうと思ったものの、たぶんウザがられるだけだろうと思い、諦める。その後、あのスイカはどうしましたか?

すでに疲れ切っていたし、そろそろ引き返さないと家に帰り着くのが遅くなり過ぎる(五井駅から家までがまた――「帰り」となると特に心理的に――遠いので)と判断したため、そろそろ養老渓谷駅まで戻ることに。しかし、さっき来た道をまた戻るのはあまりにもしんど過ぎる。地図を見てみると、大通り沿いに歩いていけば駅に着けることが判明。それでも、やっぱり遠いことに変わりはなく・・・・・・。先ほどペットボトルに入れてもらった水が役に立ったのは、正にこの時。何せ、コンビニはおろか、自動販売機や気軽に飲料を買えるような店が見当たらないのだ。あの時あそこで水を入れてもらわなかったらどうなっていただろうかと想像して、ちょっと戦慄を覚える。ありがとう、おばさん。ある意味命の恩人です。

途中、ちっちゃな神社のベンチに座って休憩しながら、ようやく駅に到着。ちょうど来ていた列車に乗り込む。しかし、このまま五井駅まで行ってしまうのはやっぱりちょっと勿体ない気がして、どこかの駅でまた途中下車してみることに。本当は無人駅に降りたかったんだけど、周りに何もなく、次の列車まで1時間以上あるような所に今のような疲れた状態で降りてみても何も楽しいことなんて無いだろうと思い、諦める。今度またいつか来た時に――。

さあ、当初の思惑と違ってなんと全4回の連載になってしまいました。
次回はようやく、個人的に待望の最終回です。