復路Part2

というわけで、結局、上り(五井駅行き)に乗って最初の有人駅、上総牛久駅で途中下車することに。山や田んぼの中だったそれまでとは違って、この周辺はもう完全な「町」になっている。それはもう劇的な違いで、ちょっと戸惑う。コンビニだってスーパーだって本屋だってラーメン屋だって、それにマックまである。ああ、もう「町」に帰って来ちゃったんだなあと、ちょっと感慨深いものが。昼に弁当を食べて此の方、歩くだけ歩いたは良いが水分以外何も口にしていなかったため、お腹が空いていた。と言っても夕食にはさすがにまだ早かったので、マックに入って腹の虫を落ち着かせる。

さすがにこんな町中の有人駅だけあって、列車の本数は(少し)多い。駅に着くと間もなく、上り列車が。でも、まだまだ五井駅には行きません。最後のあがき(?)、光風台駅で途中下車。住宅団地が出来たことに伴って開設された、この線で一番新しい駅とのこと。

家々が丘陵状に建っている(?)のか丘陵に沿って家々が建っているのか一瞬分からなくなりそうだけど、いずれにせよそのおかげで(ここが「光風台」っていうのかどうかは知らない)、田んぼと住宅地とが綺麗に分かれている様子が見て取れる。この駅は、その田んぼ側にある。

郊外にあった昔の典型的な駅、といった趣。小湊鉄道では珍しく跨線橋(と言うらしい)があり、しかもホームは島式2線(と言うらしい)――つまり、ホームの両側を上下線用の線路が通っているため、ホームがいわば島状になっている。でもこの駅を過ぎるとまた単線になっており、要するにこの駅は、上下線がすれ違うポイントでもあるらしい。下り列車が片側に止まっている所へ上り列車がもう片側にやって来て、それが停車するのを待って、止まっていた下り列車が動き出す。

駅を出ると、反対側の線路沿いに平屋建て(って言うのか?)の某スーパーがポツンと。一度降りてしまうとやはり3、40分は列車が来ないので、時間潰しのため行ってみることに。すると、「むねーぇに、つけーてる、マークはりゅうせーい」――なぜかウルトラマンの主題歌がエンドレスで流れている。しかも結構なボリュームで。一体何の関係があるのか訝しむ。店名は明らかに一切関係なさそうだし。店内をまわっていると、特売のチラシが張ってあるのを発見。特定の商品を、77円や777円など「7」に統一した値段で販売する特売をやっているらしい。その企画名もズバリ「ウルトラ7」だそうで。そうか、だから――

・・・・・・ん?

いやいやいやいやいや。じゃあ「ウルトラマン」ちゃうやん! 自分で「ウルトラ7(セブン)」言うてるやん! だったら「セブーン、セブーン、セブーン、セブーン、セブンッセブンッセブンッ! セブンッセブンッセブンッ!」やろ! 続けて「はーるかな星がー、ふーるーさぁとぉだー」でも良いけどっ! (脳内で)ツッコミ疲れたので(?)、結局何も買わずに再び駅に戻る。

五井駅まではまだ何駅かあったけど、結局もうどこにも途中下車することなく、五井駅まで。夕食として何か食べるにはまだ微妙に早いこともあり、駅周辺をちょっと散歩でもしようかと案内図を見ていると、どうも海(東京湾)まで歩いて行けそうな感じが。しかし、それは甘かった。行って行けないこともないかも知れないが、ただ帰りのことを考えると、さすがにこの距離を再び歩いて戻る気力と体力は見込めなかったため、是非ともバスを使いたい。そう思って通り沿いのバス停の時刻表を見ると――駅に向かう最終バスの時間がもう迫っている。早っ! 残念ながら諦める。バスで駅に戻ると、近くの松屋で軽く夕食。そしてようやく帰途につく。

――そしてようやく最終回。