『古畑任三郎ファイナル』――第1夜「今、甦る死」

とうとうやって来ました「古畑祭り」の第1日目。ちなみに、『新選組!! 土方歳三、最期の一日』の方を録画にしました。

「類い希なる殺人計画」と古畑に言わしめるくらいだからさぞや、と過度に期待を寄せていたため、なんだ結局いつもの倒叙形式だしトリックだって結構コテコテじゃんと、かなりガッカリしていたら――見事うっちゃりを決められました。そう来なくっちゃ! ネット上でもやはり同じ様な感想が多く見られ、三谷氏の「してやったり」という顔がありありと浮かんで来ます。

確かに、こういうネタのミステリィ作品は無いことも無いような気がするけど、でも、それを古畑の枠組みの中でやることに意味があるんです。シリーズをずっと追って来た人ほど余計に騙される、というタイプの作品は結構好きだったりします。ラストになってようやく、古畑が「類い希なる・完璧な」殺人計画と言った意図と、それからタイトルの意味とが明らかになる。どこまでもニクイ趣向です(欲を言えば、恐らくミスリードのためにダブルミーニングを狙ったのであろうこのタイトルが、もっと露骨にダブルミーニング的だったら良かったのにな、と。ファーストミーニング(?)がちょっと弱かったような・・・・・・)。

ところで、今泉は本当に久々の本編登場で嬉しかったんだけど、西村雅彦の「今泉芝居」が若干堅かった(挙動不審感(!?)が少なかった)ような気がするのは・・・・・・単なる気のせい? それとも、さすがの今泉もその「若干」分だけ成長したんだという、実は役作り?

また、古畑がある箇所で「本当の真犯人」という言い方をしてたんだけど、これって「上を見上げる」(in 『ラヂオの時間』)的な重複では? 脚本に書いてあったままなんでしょうか、それとも田村正和が思わず言っちゃっただけなんでしょうか? もし前者なら三谷氏、『王様のレストラン』で松本幸四郎に「とんでもございません」という間違った言い回し*1をさせてしまったことを反省していた(in DVD版のコメンタリー)けど、その二の舞を演じる*2ことになっちゃうのでは?

どうでも良いけど、「郷土資料館」の建物は見覚えがあると思ったら、『合い言葉は勇気』に出て来た富増村の村役場としても使われていたのと同じ――なのかな?

いずれにせよ、初っ端がこのクオリティだったことで、後の2作品が益々楽しみになって来ました。

*1:「とんでもない」でひとまとまりの表現なので、「とんでもないことでございます」が正しい。

*2:思わず「二の舞を踏む」と書きそうになった・・・・・・。