〜 カルチャー・ショックの巻 〜

某研究会出席のため(にかこつけて?)、仙台へ。訪問したことのある都市の個人的最北端。

新幹線のチケットは自由席で大丈夫だろうと踏んでいたら、案の定大丈夫だった。車内で弁当を買って朝食代わりに。これも「駅弁」と言うのだろうか?

ほぼ8時に仙台駅到着。研究会は15時からなので、それまでは出来る限りの観光を綿密に計画。限られた時間でいかに効率良く回るかが勝負(何の?)。

しかしその計画も、初っ端からもろくも崩れる。

松島海岸行きの遊覧船に乗るため本塩釜駅まで行こうと、新幹線から降りてすぐに仙石線に乗り換える。ちょうど止まっていた電車があったので、「普通」(各駅停車)だとは分っていながら、ラッキーとばかりに乗り込む。電車が動き出してすぐ、案内図(?)を見ると、仙台駅から出ている「快速」は停車駅も少なく、速そうだと判断。ひと駅で降りて、仙台駅にとんぼ返り――これがいけなかった。この時間、「快速」なんてありゃしない。あるのは十数分後の、やっぱり「普通」、しかも途中の多賀城駅止まり! 仙台到着早々だったこともあり、まだ東京の感覚が抜けていなかったのだろう・・・・・・。

まあ、あのまま本塩釜駅まで行っても、9時発の遊覧船に乗れたかはもともと微妙なところで、それを逃すと次の便は30分後――だからもしかしたら、結局は同じことだったかもしれない、と思い込もうとする。

そうすることで少し冷静さを取り戻すと、楽しみ(?)を見つけた。なんと、電車のドアの開閉は全自動ではなく、ドア脇についている「開」または「閉」ボタンを乗客が押す方式になっているのだ! もちろん、さすがに発車時には、まだ開いている(乗客によって開けられた)ドアは全て自動で閉まるけど、でもそれも、自動で閉まる前に乗客自身が勝手に閉めることが出来てしまうのだ。

地元の方々がこれを読んでいたら、「はあ? そんなの当たり前じゃん」とか思うのかもしれないけど、でも正直、これには軽いカルチャー・ショックを受ける。っていうか、関東(以西ないし以南)の人たちに訊きたいんだけど、今までこんなこと(東北の電車事情)知ってました? 少なくとも僕自身は聞いたことがありませんでした・・・・・・。

もちろん、カルチャー・ショックとは言っても、「未だに全自動じゃないなんて遅れてる!」と思ったわけではありませんので悪しからず。むしろ全くの逆で、非常に合理的なシステムだな、と感心した。想像するに、この機能の本領が発揮されるのは冬季においてなのだろう。そのドアからの乗客の乗り降りが全く無くなかったり数人しか乗らなかったりする時にも(大抵がそう?)ドアが時間いっぱいきっちり開いていては、無駄に寒くて仕方が無い――だから、人の乗り降りが無い時は開かずに、そして数人が乗る場合には、乗り降りが終わったらすぐ閉めることが出来る、というシステムとして考案されたのだろう、多分。

こういうのって、最初はちょっと戸惑っても、次回から、さも当たり前のように(あたかもいつもやっているかのように自然な所作で)ボタン操作をするのがちょっと面白かったり。何というか、地元に溶け込んだ感たっぷりで――もちろん、大いなる勘違いであることは百どころか千も承知の上ではあるけど。今回は、例のおっちょこちょいのおかげで何度か余計に電車の乗り降りを「体験」することができたので、それもまた「良かった」と思うことにする。

(Part2につづく)