〜 松島遊覧の巻 〜

そんなこんなで多賀城駅に着くと、またまた二十分近く待つことに。でも、そんなことはもう気にならなくなる。なんとか本塩釜駅に着くと、遊覧船乗り場のある「マリンゲート」まで徒歩で移動。9時20分――次の便の出発まであと10分。さすがにこれを逃すと拙かったので、とりあえず間に合ってホッとする。

出航。乗っているのは、右手に見えるような派手な船ではありません。

3階建てらしく、2階、3階は別途料金が発生するもよう。でも、1階の、しかも後部デッキに出ていれば、十分に満喫できます。ただでさえ乗客が少ないとはいえ、全員がこのデッキに出て来たって良いようなものの、実際に出て来る人はホンの数人――それも、滞在時間はホンの数分から十数分。僕はと言えば、最初から最後までの約50分間、出ずっぱり。天気は快晴、絶好の観光日和なんだから、外にも出ずに窓の内側に呑気に座っていてどうするのか。

他の乗客がかっぱえびせんを手に持って差し出すと、ウミネコの群がどっと押し寄せて来るため、飛んでいるウミネコ(の大群!)を至近距離でじっくり見ることが出来る(観測者相対的には、ヤツらはほとんど「浮いている」)。

ウミネコの群。

ちょっぴりお気に入り。

ウミネコたちも分っているのだろう、誰もかっぱえびせんを差し出していなくても、ほとんど常に遊覧船のそばをつかず離れず飛んでいる。まあ、他の遊覧船の後ろをついて行くウミネコの群れを「客観的」に見てしまうと、若干哀れさを感じないでもないんだけど・・・・・・。

どこか「哀れ」を誘います・・・・・・。

松島の島々を前(は無くて)後左右に見ながら、のんびり遊覧。

ホントに「多島」です。

結構あっと言う間に、松島海岸に到着。辺りをちょっとばかり散歩。しっかし良い天気だ。海岸通り沿いに連なる店の一つに入って、「むう」なるものをおやつ感覚で一個(70円也、しかもその場での揚げたて)、無料のお茶とともに座って食す。一息ついたところで、松島海岸駅に向かって歩き出す。

が、すぐ近くに瑞厳寺の門が見えたので、境内に入ってみることに。門を入ると、両脇を荘厳な杉木立に囲まれた真っ直ぐな参道。でもそこを行かずに、脇道へ。別に天の邪鬼というわけではなくて、高い岩壁に大きな穴が人工的に穿たれているのが見えたため。石窟と言うのだろうか、掘った&彫った人たちの並々ならぬ執念(?)を感じてしまう。日射しの加減もあってか、ちょっとした神々しさ(「仏々しさ」?)すら感じる。

瑞厳寺参道の「石窟」1
瑞厳寺参道の「石窟」2

ただでさえ時間が「圧している」ので、残念ながら本堂までは行かず、今度は参道を通って引き返すことに。すると、観光客ご一行様を引率していたガイドさんの説明が耳に入って来る。「みなさま、後ろを振り返ってご覧ください。門の間から海が見えるのはこのお寺だけだと言われています」。(ちょうど門に向かっていたため)正面を改めて見ると――門の前は人、人、人・・・・・・。ひっきり無しに人が入って来るため、残念ながら、門を通して海がスカッと見通せる瞬間がなかった。

再び松島海岸駅に向かって歩き出すも、某笹かまぼこ店に吸い込まれてしまう。そこで無事、笹かまお買い上げ――自宅に郵送してもらう。

寄り道の誘惑にことごとく屈しながらもようやく駅に到着したは良いが、仙台駅行きの次の電車まで、今度はなんと30分近くも。まあ、いい加減あきらめのつけ方を覚えました。駅のホームはちょっと高い所にあるため、松島海岸を遠くに眺めながら気長に電車を待つ。何度も言う(感じる)けど、ホントに良い天気だ。

天気は良いけど、電線がジャマ・・・・・・。