〜 仙台―蔵王の悠長な旅の巻 〜

5時前に一度、6時くらいにも一度目が覚めたんだけど、その次はちゃんと7時10分前に目が覚めるんだから大したものです(ただ、数日後になってようやく気づきました――ケータイの目覚まし機能を使えば良かったんじゃねえの?)。速攻で支度をして一階ロビーへ。そこでクロワッサンとロールパンともう一つ似たようなパンの計3個、ゆで卵1個、オレンジジュース1杯、コーヒー1杯をこれまた速攻で平らげて、そのままチェックアウト。7時20分――まあまあのタイムでしょう。できれば、普段の朝もこんな手際でお願いします>自分。

近くで朝市が開かれるという話しを聞いてはいたんだけど、残念ながら時間がない。生憎の曇り空の下、昨日行けなかった定禅寺通りに直行。杜の都を象徴している(らしい)通り。大通りの真ん中にある並木の真ん中(!?)にある歩道をしばらく歩く。他に誰も歩いてやしない。地元の(恐らく)通勤者たちはわざわざこんな所を歩かず、両側にある歩道を歩いている。そして、一方の歩道から他方の歩道へと、この「真ん中地帯」を素通りして渡って行く――そんなものだろう。でも、おかげで「真ん中地帯」を独り占め。これで、日射しがあったらもっと良かったことだろう。昨日、あの時に来られていれば・・・・・・。

日射しに乏しい早朝の「真ん中地帯」、独り占め。

っていうか、こんな像と「二人きり」?

仙台駅まで戻る。目的地は、蔵王の「お釜」まで行くバスが出ている、白石駅。駅員に「白石駅に行くのは何番線ですか?」と訊く(訊いたつもり・・・・・・)と「突き当たりの10番線です」と言われたので言ってみると仙石線――違うじゃん! もしかして「石巻」に聞こえたんでしょうか? 謎を残したまま結局自分で見つけて、無事、東北本線のホームへ。困った時(?)は自分だけが頼りです。白石駅までは40分とちょっと。駅を出ると、(誠に失礼ながら)寂れた商店街が延びているのが見えるだけ。一応、バスターミナル(にある待合所内)で予め切符を買っておくも、蔵王刈田山頂」行きのバスが来るまでは、これまた40分ほど待たなくてはならない。そのバスに乗っても、今度は「山頂」まで1時間半。自分のことだから、それまでの間に絶対お腹が空くだろうと踏んで、バスの待ち時間を利用してコンビニで昼食用のおにぎりか何かを調達して来ることに。やはりなおも曇り空の下、商店街を歩く。歩く。歩く。加えてもうちょっとだけ歩いてみる――コンビニがない。でも、とりあえずケータイショップはある・・・・・・。でも、相変わらず人が歩いていない・・・・・・。

そろそろ引き返さないと時間ギリギリになってしまいそうなので、いい加減諦める。もう何でも良いから何か食料を調達出来そうな店はないかと、虚心坦懐に探しながら駅前に向かって歩いていると、なんだ、パン屋さんがあるじゃん。朝がパンだったため、昼はせめておにぎりをと思っていたんだけど、背に腹は代えられない。パンを2個ほど調達。バスターミナルでしばらく待って、目的のバスに乗車。日課の(?)通院のためにおばあちゃんが乗って来たりする、ホントに普通の路線バス。でもなぜか、全く退屈することはなかった。結構長い間町中を走っていたバスも、途中の中継所のような所で観光客らしき一行を乗せた辺りから、山(の中の)道を走るようになって行く。しかも、いつの間にか空は晴れ上がっていた。そのことを教えてくれたのは、木々の輝き――。

動いているバスの窓越しに。

道の左側が開け、渓谷の向こうに滝が見えると、乗客がみんな一斉に左側に寄る。すると、ちょうどバスが止まった。「どうぞ、降りてご覧下さい」と、運転士さん。マジですか!? 普通の路線バスなのに、イイんですか? 僕はもう予め切符を買ってあるけど、後で整理券と一緒にお金を払う人だっているんですよ? まあもちろん、イイと言われているんだからイイんでしょう(たぶん、普段からそういう「システム」なんでしょう)。乗客たちは遠慮なくバスを降りて、渓谷と滝をしばし見物。

The「滝 in 森」

別に「何分」と具体的に制限されているわけでもなく、「そろそろ戻って下さい」と言われたわけでもないのに、ほんの1、2分ほどすると、僕自身をはじめとする乗客たちは誰からともなくそそくさとバスに乗り込む。