尺度の種類

――と言ったら良いのかどうかは知らないけど。

たとえば、「強さ」・「長さ」・「重さ」とかいった表現について。

これらはそれぞれ、あるものが「どれほど強いか」、「どれほど長いか」、「どれほど重いか」を表現するためにも用いられるが、でも、それだけじゃない。強い/弱い、長い/短い、重い/軽いといった、いわば尺度の種類に関する表現としても使われる。

尺度の種類としては、たとえばそれぞれ次のような使われ方をする。

  • <強さ>
    • 「この部分の強さ(強度)がちょっと弱いな」
    • 「この部分の強さ(強度)はもうちょっと強くても良いんじゃないかな」
  • <長さ>
    • 「ここの長さをもうちょっと短くしてくれる?」
    • 「ここの長さはあまり長くしなくて良いから」
  • <重さ>
    • 「この商品の重さはたった1kgと、とっても軽いんです!」
    • 「この物体の重さを測ってみたら思ってた以上に重いことが分かった」

となると、やっぱりここで疑問が生じざるを得ないだろう。

――それぞれ、どうして次のような言い方が、出来ない、あるいは少なからず変に聞こえるのか?

    • 「この部分の弱さがちょっと強いな」
    • 「ここの短さはまだまだ過ぎるよ」
    • 「君の体の軽さって予想以上に重いよね」etc.

もちろん、「弱さ」・「短さ」・「軽さ」といった表現自体は普通に使われている。でも、普通これらが使われる場合には、それぞれ、「どれほど弱いか」、「どれほど短いか」、「どれほど軽いか」っていう、その表現通りのベクトルを表すものとしてのみだろう。要するに、これらは「尺度の種類」としては使われないのだ。

一体どうして、「強さ」・「長さ」・「重さ」の方が「尺度の種類」に関する表現として選ばれたのだろうか?

何か言語学的な研究が為されているようなら、ちょっと知りたいかも。