『グッバイ、レーニン!』

http://www.gaga.ne.jp/lenin/

恵比寿ガーデンシネマにてようやく観賞。

始まりは、ベルリンの壁崩壊前の東ベルリン。ある日、ガチガチの愛国主義者である母親が心臓発作で倒れてしまう。昏睡状態が続いている間にベルリンの壁が崩壊。西の資本主義の影響が日増しに濃くなって行く中、母親は奇跡的に意識を取り戻す。どんな小さなショックも命取りだと医師に言われた主人公である息子は、何とか「世界は何も変わっていない」フリをし続けようと奮闘するのだが・・・。

タイトルからはやはり政治的な内容なんだろうなという印象を受けるかもしれないが、あらすじを聞くと、どこかシチュエーション・コメディ的な要素を含んでいるように思えるかもしれない。そして実際のところは――政治的な背景を「シチュエーション」としたコメディ、かつ、ヒューマン・ドラマであった。

いやあ、最後の最後に思わずキてしまった。『たそがれ清兵衛』を観た時もそうだったけど、こういう映画は途中でどうこうというよりも、その途中途中が全て集約されるラストがやっぱり(僕にとって)一番危険なようだ。

照明が全部ついてしまわない内に抜け出すと、そこであるカップルの衝撃的な会話を耳にしてしまう。

 女:「結局どういう話だったの? 良く分かんなかった」
 男:「うん・・・オレも良く分かんなかった」

はぁーーーーーっ?!

こっちこそ「良く分かんなかった」の意味が良く分かんねーよ!

っていうかアンタらまさか、「ベルリンの壁崩壊」って聞いて、(たとえば)「東京タワー倒壊」とかと同じようなレベルの事件だと思ってるんじゃないだろうな!?

「なんで『バーガーキング』でバイトとかしてんの知られちゃマズイわけ?」とか、「このお母さんがそんなに『コカ・コーラ』嫌いだってこと、前に触れられてたっけ?」とか、上映中ずっとそんな(トンチンカンな)疑問ばっかり持ち続けていたんだろうか? それどころか、この主人公の母親がある種の精神障害を患っているんじゃなかとさえ思ってたんじゃないだろうな!?

もう、勘弁して下さいよ! 折角の余韻が台無しじゃねーか!

――ひとしきり脳内でキレまくった後、ちょっとクールダウンをするため(でもないけど)、ドイツの水「Ensinger GOURMET(エンジンガー グルメ)」を買って飲んでみることに。瓶入りの炭酸水なんだけど、実は甘い炭酸水(いわゆるサイダー)しか飲んだことが無かったため、どうもその感覚(「炭酸なのに甘くない」)に馴染めなかった。

帰りに、同じガーデンプレイス内にある東京都写真美術館で開催していた「わざとこころ――日本式・アニメーションの探検」を見る・・・うーむ、個人的にはちょっと(量的に)期待はずれ(でも250円だからこんなもんなのか)。