『パンダコパンダ』

『パンダコパンダ&パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻

いつか観よう観ようと思ってついに今まで観ることのなかった「個人的に幻」の作品をようやく観ました。
原案・脚本・画面設定が宮崎駿、演出が高畑勲。パンダブームのさなか、メインの作品との同時上映用に作られた短編アニメ映画です。『パンダコパンダ』が第1作目で、『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』が第2作目*1。どちらも40分弱の本当に短編で、しかも内容的にも、「短編アニメ映画」というより、それこそ「短編まんが映画」と言った方がピッタリ来るような作品。「トトロ」の原型と言われることが多いようですね*2。それとはまた別に、「トトロ」を観(視)るにはまだ早い小さなお友達に最適かも。最近、アニメと言ったら、ある程度の大人やいわゆる大きなお友達向けのものが多いような気がするので、こういう作品は貴重です。

主人公の女の子(ミミ子)は、良く言えば「明るく元気な子」なのかもしれないけど、さすがに度を超えてどこかへイッチャッているような気も・・・。だから、まあそれこそ、良くも悪くもその後の「宮崎アニメ」に出て来る女の子キャラの原型がここにある、と言って良いのかも。

DVD特典として、坂上みきによる高畑氏へのインタビューと、1994年の正月に日テレで放送された、宮崎・高畑両氏の(石川牧子アナによる進行ありきで成り立っているような)対談*3、それから両作品の当時の予告編映像の3種類が付いていて、どれも興味深かったです。特に予告編は、さすがに時代を感じさせてくれて、ある意味必見です。

*1:細か過ぎることかもしれませんが、後者はよく『パンダコパンダ雨ふりサーカス』のように表記されることがあるんですが、実際には、上に表記したように「雨ふりサーカスの巻」だったんですね。

*2:キャラクター的にももちろんですが、タイトルバックなんかも、宮崎氏が「トトロ」の時に敢えて意識したんじゃないかと思えるほど。それに、キャラクター名(「パンダコパンダ」、「トトロ」)を連呼する主題歌も・・・。

*3:対談場所が「江戸東京たてもの園」(http://www.tatemonoen.jp/)内の武居三省堂だったのも、今となっては示唆的な気がします。