哲学ジョーク?
ジョージ・ハラ(対馬 妙 訳)『悩み多き哲学者の災難』ハヤカワ文庫
まだほんの出だしの方しか読んでないけど、この本のストーリー中に採り上げられていた哲学ジョーク。
まずは、ウ(ヴ)ィトゲンシュタインが立ち聞きしたフランス人の政治家の話として紹介されているものから。
彼らは自国語についてこんな自慢をしていた。しゃべるのに最も適した言語はフランス語だ、頭の中で考えたとおりの語順になっている
確かにどこかで読んだことがあって、*1その時もちょっとオモロイと思ったんだけど、この小説の主人公によれば「ヴィトゲンシュタインの哲学を理解しないと絶対にわからない」らしい。でも、「んなこたぁない」(by タモリ)でしょ。普通に可笑しいんですけど。
もう一つは、ロシアの詩人がロンドンを訪れたときの話として紹介されているジョーク。
彼は通りかかった男を呼びとめて、時間を訊こうとした。「プリーズ・ワット・イズ・ザ・タイム(時間とはなんですか)?」男は答えた。「そんな難しいこと、おれに訊かないでくれよ」
主人公によれば「哲学史上類をみない面白さ」らしい。まあ、哲学史上類をみないかどうかは別としても、個人的にはかなり好き。告白すると、立ち読みでこの部分を読んだ瞬間に本をレジに持って行ったほど。ストーリー自体は、まだどう転がるのか分からないけど、面白かったら儲けもの――つまらなかったとしても、こうしたジョークをいくつか紹介してくれたらトントンだ。