『Ghost Soup』

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かつて50分のテレビドラマとして製作・放映された岩井俊二の初期監督作品の、DVD版(58分くらいに再編集されている)。たまたま見掛けて手に取った後で岩井作品だと知り、パッケージがあまりにもシンプルだったため逆に興味を惹かれてレンタルしてみることに。クリスマス・イブに急遽あるマンションの一室に越して来るハメになった主人公。そこへ突然、この部屋でクリスマスパーティをするから出て行けという謎の2人組(プラス3人)が現れるのだが・・・。

チープ感抜群の、コミカルでちょっとハートウォーミングなクリスマス・ファンタジー、ってところか。最近注目されている(?)「ショートフィルム」的な雰囲気があって、それはそれで悪くないのだが、でも、普通の日に1人で素面で「映画」でも観ようという心構えの時に観て純粋に楽しめるかと言われると、正直ちょっと苦しいものがあるかもしれない。何の構えもなく純粋かつ気楽に観るのが正しい。

ちなみに、謎の2人組を演じているのは若き日の鈴木蘭々とデーブ・スペクター(こちらはあんまり印象変わらず)。蘭々はともかく(!?)、なぜにデーブ? ――というのも興味を惹いた一因だったのだが、もしかしてこの時期って、「日清やきそばU.F.O.」のCFでの「ケトラー」が一世を風靡していた頃? どっちが先だったかは知らないけど、いずれにせよデーブの演技は「ケトラー」に始まり「ケトラー」に終わっておくのが無難だろうなと・・・。同じショートフィルム的作品でも、(セットやロケーションというより)役者の演技次第でチープにも「映画」にもなるのだろうな、と実感したシダイ。と言ってもまあ、少なくとも本作に関しては、監督自身が敢えてこうした(子供向け番組的な?)チープ感を狙っているような演出も見られるので、一概に否定的な評価を下すわけにはいかないのかもしれないけど。

それはそうと、主人公役を演じた渡 浩之という人、一体何者なんでしょうか? この作品以外に見掛けた覚えが全く無いんだけど・・・。