(7月26日分)『時をかける少女』

で、さらにまた奥華子つながりで、『時をかける少女』。朝一にテアトル新宿へ向かう。前日、某飲み会で遅くなって電車がなくなってしまったため、都内にある某友人宅に泊めて貰っていた。自宅から来るより断然近いので、結果的にはラッキーだった。朝一にもかかわらず、しかも初日というわけでもないのに、すでに行列が出来ていたのはこの作品の人気の高さを窺わせる。

原作は読んでないは大林版の映画も観てないはで不勉強も甚だしいんだけど、逆にそれが良かったのかも。タイム・リープの設定などに関してはかなりツッコミどころがあるとはいえ、主人公をはじめとするキャラがなかなか小気味良く、笑い/シリアス、日常/非日常のギャップがしっかりしていたためかメリハリもあったし、ストーリー的にも切ない青春モノとしての王道を突っ走っていて非常に良かった。ただ、人物キャラの絵には敢えて影をつけていないらしいけど、個人的にはやっぱりつけて欲しかった気がしないではない。いろいろ拘りや理屈はあるのだろうが、最終的には――予算の都合?

劇中、「ガーネット」のカップリング(で当初は主題歌のつもりで作ったらしい)「変わらないもの」が実に絶妙な使われ方をしていて、たぶんこの時点で、観客の心はがっちり掴まれてラストまで一気に持って行かれることになるのだと思う。また、これは別にどうでも良いけど、ラスト、某登場人物が主人公に「○○で○ってる」と言うシーンで、『ハウルの動く城』でソフィーが某登場人物に言うセリフ「○○で○ってて」を連想してしまう。『ハウル』に某因縁のある監督だけに、ちょっと勘ぐってしまいそうになる。

スタッフ・ロールが終わるまで、観客の誰一人席を立たなかったのが印象的。スタッフの名前をじっくり見ていたわけでもないだろうから、これはやっぱり、主題歌を聴きながら余韻に浸っていたのだろう。その主題歌である「ガーネット」、それ単独で聴いた時には歌詞の内容的に「?」だった部分が、この映画のエンディングとして聴いた瞬間に「!」に変わる。にゃるほど、そういうことでしたか。

久々に、何だか晴れ晴れとした気分で映画館を出ることが出来た気がします。

ただ、その数日後には全く逆の気分で映画館を出ることになるとは、この時の僕に知る由などなかった・・・・・・。