2本いっぺんに

http://www.gaga.ne.jp/confidence/

一言で言ってしまえば詐欺師一味のお話。誰が味方で誰が敵(裏切り)なのか? 「20手」先を読むジェイクの策略は果たして成功するのか? タイトルの「コンフィデンス(confidence)」は「信頼」、「セルフ・コンフィデンス(self-confidence)」で「自信」。このお話はそのどちらをも象徴している。適度な緊張感と共に軽快に進むストーリーに身構えながらものめり込んでいると、まさに謳い文句通り、ラスト10分で一気に様相が反転。伏線はもちろん至る所に張り巡らされているが、それは観客が真相に気づけるための「手掛かり」というよりむしろ、そのことごとくが観客を「引っかける」ための伏線と言って良いかも。でもその代わり、この手のサスペンス映画にありがちなアンフェアな映像を観せられるなんてことは無かったように思うので*1、その点は非常に好感が持てる作りになっている。詐欺師映画のお手本のような作品の1つ。暗黒街の首領キングがとっても恐い。僕ごときが今さらになってわざわざこんなことを言うのもおこがましいんだけど――ダスティン・ホフマンは凄い。あと、リリィ役のレイチェル・ワイズが良かった。今まで意識したことなんてなかったんだけど。ただ、こんな綺麗な女優さんが0.5秒に一度は「fuckin'」を挟むような口汚いセリフを連発する様は、なんか複雑。最後に、この手の映画のあらすじ紹介では仕方が無いと言えば仕方が無いんだけど、この作品の公式HP上でもやっぱり(少なくとも一箇所)アンフェアな記述が見受けられたので、本作品を未見の方はくれぐれもミスリードされないように・・・と言っても無理か。

http://www.klockworx.com/rem/

夜中にふと気づくと妻の姿が見当たらず、不安になった大学教授のエドは妻の知人や勤務先などに連絡、そしてついには警察にも連絡するが、極度の不安と緊張とで眠れずに、大量に睡眠薬を飲んでしまうのだが・・・。ストーリーは完全にエド自宅内だけで進む。どこまでが幻覚でどこまでが現実なのか。果たして妻はどこへ行ってしまったのか。でもその「答え」は必ずしもラストで明示されるわけではない。何となく「真相はこうなんだろうな」と察することは決して難しくはないとはいえ、それは飽くまでも想像に過ぎないし、すべての事象を漏れなく整合的に説明することができるというわけでもない。これでラストがもうちょっと親切な作りになっていたら、全体的な雰囲気としてはさほど悪くはなかったような気がするので、非常に残念。ただ、どうやら監督の制作意図としては、恐らく僕らの多くが知りたがるような真相なんてこの際「どうでも良い」らしいんだけど・・・。この手のリドル・ストーリー(?)はやっぱり苦手だ。ラストにモヤモヤが残るような作品は嫌いって方にはお奨めできない。

*1:具体的なタイトルについては過去の記事を参照。