こちらも何冊かまとめて・・・

前から読みたかった竹内真カレーライフ』(集英社)が文庫化(『カレーライフ (集英社文庫)』(集英社文庫))されはしたものの、リサイクル・ショップでハードカバー版を買った方が安いことに気づき、早速購入。

山本兼一火天の城』(文芸春秋)もたまたま発見したのでついでに購入。

また、以下の本はもうだいぶ前に読了済み。

  1. 永井均私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)』(講談社現代新書
  2. マイケル・ダメット真理と過去』(勁草書房
  3. 戸田山和久科学哲学の冒険 サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)』(NHK出版)

1は、永井哲学の最新状況。氏の哲学の壮大な射程とその目論見とがようやく明確かつ一所に語られるに至ったかなという感じ(出版順は逆だけど、本書のいわば姉妹編として『倫理とは何か―猫のアインジヒトの挑戦 (哲学教科書シリーズ)』(産業図書)もお奨め)。頭がぐわんぐわんと揺さぶられるような感覚に襲われるため決してすらすらと読み進めることなんて出来ないが、それでも読み通さずにはいられない。細かい論点について語りたいことは色々あるけど、ディープになりそうなので割愛。

2は、ダメットによるジョン・デューイ記念講演の原稿に新たな論文を加えて編まれた“Truth and the Past (Columbia Themes in Philosophy)”の邦訳版。講演原稿であることを考慮してか、全編「です・ます」調で訳出されてはいるが、だからと言って内容的には決して取っ付き易いわけでもないところが皮肉だ(講演原稿だけならまだしも、もともと論文として書かれたものまで「です・ます」調で訳されても・・・)。それでもなお、ダメット哲学へのアプローチとしては(飽くまでも)今のところ最もコンパクトかつ包括的。反実在論の擁護者として知られているダメットにとって、「過去の出来事(についての言明)」の扱いは鬼門。本書では、「反実在論」ではなく「正当化主義」を前面に打ち出すことによって、過去に関する日常的な(実在論的?)実感と「反-実在論」的な精神との調停を図ろうとしている。

3は、センセイと2人の学生との間の対話形式を通して科学哲学のエッセンスを分かり易く論じてくれているのと同時に、戸田山氏自身の立場である科学的実在論を擁護する試みをも展開している。節目ごとに「まとめ」まで付いて、実に至れり尽くせり。「科学と哲学って相反する分野のように思っていたのに、『科学哲学』って一体何なんだ?」という方から、「哲学をやっていながら今どき『実在論』なんて素朴な考え方を擁護するなんてどういうつもり?」という方、「科学ってそもそも『実在』のあり方を探ることを目的としているはずなのに、どうしてわざわざ『科学的実在論』なんて立場を打ち立てた上にそれを改めて擁護なんてする必要があるんだ?」という方まで、幅広い読者層にお奨め出来る。ラストの妙に感傷的な「物語」はご愛敬。

これら3冊を読んで、実在論と『神』」というテーマでちょっとばかり何か書きたい衝動に駆られたんだけど、そのうち気が向いたら書くかもしれません。