「読みたい本」メモ

邦題では副題に追いやられてしまっている"The Source of Normativity"が原題の本の翻訳。これ、コースガードの単著みたいになっているようだけど(特に版元である岩波書店のHP・・・)、実際にはネーゲルやウィリアムズらによる論評も入っているので、「(他)」くらい付けないとマズイような気が・・・。いずれにせよ、「DVDを買う金があるんだったらさっさとこっちも買って読め」、と自分に言い聞かせている真っ最中。

最近は、実際にスポーツをすることどころかスポーツ(TV)観戦からさえ疎遠になっているにもかかわらず*1、妙に興味を惹かれてしまっている一冊。こちらは純粋に趣味で読んでみたい。たとえば、いわゆる格闘技が「スポーツ」に分類できるのか個人的には良く分からないんですが、仮にそうなのだとすると、それ(殴る蹴るなど)って倫理学的に見てどうなのよ?とか、スポーツ界における最大の倫理的原則の役割を果たしている感さえある「スポーツマン・シップ」ってそもそも何なのさ?とか・・・。ただ、スポーツ一般*2とプロ・スポーツ*3とは実際問題としてそのあり方がかなり違って来ると思うので、その辺の議論をどう処理しているのか(あるいはしていないのか)も興味があります。

デネットの本はなぜかその道(哲学や認知科学など)のいわゆる専門家以外の人(翻訳家)に翻訳されることが多くてその都度違った版元から出版されているような気がしますが、でもそれは必ずしも悪いことではなくて、むしろ良い面もあります。なにより訳文がこなれているので読みやすい。特にデネットの書くようなどこか軽妙洒脱の感さえ漂う文章の場合は、やはり打ってつけでしょう。ただ、そうした文体のせいか、デネットの本て、論点や話題の豊富さの割には*4結局何が言いたいのか良く分からないことが多いのが難点――飽くまでも個人的になんだけど。

で、「自由」繋がりでたまたま知ったんですが、こんな本も(10年近くも前に!)出ていたのは迂闊にも知りませんでした。遅ればせながら読んでみようと思います(いつか・・・)。「神経科学と量子論という観点」から論じられているという紹介だけを読んでしまうと、ちょっと・・・。「決定論か非決定論か」的な二分法に基づく非両立論は拒否しつつも、神経科学レベルでは決定論的になり、量子論レベルでは非決定論的になる、とかいう方向での両立論に行くんだったらそれはそれでツマラナイないなあ、と。まあ、実際そんな話しにはならないとは思いますが。

*1:野球、サッカー、ゴルフに諸々の格闘技、これらに一切興味なし・・・。

*2:必ずしもお金を取って観客に見せることを前提としないもの。

*3:お金を取って観客に見せることを前提としたもの。

*4:あるいは、あまりにも豊富過ぎて論旨を見失いがちになるから?